一生一度の 最高のトキメキ

ただのJr.担の雑多ブログ

2020年舞台『DREAM BOYS』 のお話。

舞台『DREAM BOYS』2020年版 ストーリー・演目・セトリ

※完全にネタバレしておりますので、ご観劇前の方はご注意ください

※ストーリーの核となる部分をさらったレポですので、細かなエピソードは所々省略しております

 

出演:

岸優太・神宮寺勇太(King & Prince)

美少年・7MEN侍・鳳蘭紫吹淳樹里咲穂

 

 

“起” 

物語はボクシングの新人王争奪戦のリング上のシーンから始まる。試合をしている2人はユウタ(岸優太)とジン(後のチャンプ/神宮寺勇太)。施設で育った孤独なユウタにジンが声を掛けたことで出逢い、親友になった。ユウタはジンに誘われボクシングを始め、いつしか2人は最大のライバルとなっていた。

 

 

主題提示「みんな誰かのために生きている」

♪ Next Dream(全員)

走れ(走れ)
この瞬間を(瞬間を)
始まっていく時(始まる時)
つかまえにいく

笑顔と悲しみが くり返す真実
この(この)
ステージが始まる

まっすぐ前を見つめてごらん
光を浴びてこのまま
果てなく続くこの道の上に
足あと残していく

君を待つのはなんだろう?
心が揺れても今は振り向かない

まっすぐ前を見つめてごらん
笑顔はそこにあるから
果てなく続くこの道の上を
ほら勇気が越えていく

「みんな誰かのために生きている。だからみんなの心が結ばれ、絆が生まれる。出会いと別れを繰り返し、躓いたその時よりも素晴らしい場面を」

 

“承” 

それぞれの分かれ道

〈マリアとエマ〉

舞台女優であるエマ(鳳蘭)は、付き人であるマリア(紫吹淳)を突如解雇する。「どうして!?あなたのために全て捧げてきたのに…!」悲憤するマリアに対し「私に言わせる気?あなたが一番よく知ってるでしょ」と突き放すエマ。

 

〈ユウタとジン〉

「お前の方が優勢だったのになぜリングから降りた!?」憤怒するジン。ユウタは理由も語らず、新人戦の試合を途中放棄したのだった。

 

あれから5年後

エマに解雇されたマリアは、自身で芸能プロダクションを立ち上げていた。マリアの事務所のスタジオにはアイドルを目指してレッスンに励むレッスン生たち(美少年※岩﨑以外の5人)の姿があった。

 

♪ Make You Wonder(レッスン生)

 

「この調子でいけばテレビ出演も夢じゃない」と彼らに嬉々として声をかけるマリア。マリアの言いなりにはなりたくないと思いつつも、彼らは喜ぶ。

そんな中、ユウト(那須雄登)はぎこちない。

自分が本当にしたい事が分からなかったからだ。みんなと歌って踊ることは楽しいしやりがいも感じる。しかしユウトには、ボクシングの道に進みたいという想いもあった。

ユウトには両親が居らず、幼い頃から施設に預けられていた。そんなユウトを支えてくれたのは、ユウタだった。昔施設が家事になった時にも、ユウタは火の中に飛び込んでユウトを助けてくれた。ユウトはユウタをアニキと呼び、2人は本当の兄弟のように育ってきた。そんなアニキのようになりたいと、ユウトは思っているのだった。

 

♪ 時計を止めて(ユウタ)

 

「なんでアニキはボクシングを辞めたの?」ユウトの問いに対してユウタは真意を答えない。「もっと大事な夢ができたからかなあ…?俺、大金持ちになりたいんだよ!」

 

♪ When I Was Seventeen(ユウタ)

 

あの日ユウタとの試合に不戦勝して以来、試合に勝ち続けチャンプとなったジンは、ボクシングジムを運営していた。そこには夢を追いかける若者達(岩﨑大昇、7MEN侍)が溢れている。ユウトもその1人。チャンプはリング上では厳しいものの、普段は色んなことを教えてくれる面倒見の良い優しい一面もあった。

 

♪ Walking  To  The End(タイショウ、ジム生)

 

 

チャンプの半生を映画に

17戦17勝無敗、天才ボクサーとして名を馳せたチャンプの半生を映画化しようとマリアは目をつけた。そしてマリアはその主演に、自身の事務所のタレントではなく、どういう訳かエマの事務所のユウタを抜擢する。ユウタはあの新人戦以来、ボクシングを辞め俳優の道へ進んでいたのだった。

映画は大きな映画祭に出品予定の超大作で制作規模も最大級、絶対に失敗は許されない。そんな大事な映画の主演を、何故俳優として経験の浅いユウタに任せようとするのか?不審がるエマ。それらしい理由を述べるマリアだが、エマはマリアが何かを企んでいるように思え、快諾できない。

ユウタがこの映画の主演を務めることを良く思わない人物がエマ以外にも居た。チャンプと、チャンプのジム生たちだ。彼らは、チャンプとの試合を途中で放棄したユウタがチャンプの役を演じることに納得がいかなかった。

しかしマリアは頑なだった。誰の意見も聞き入れず、無理矢理撮影を進めていた。

 

♪ Start Shooting(ユウタ、レッスン生)

 

ある日の映画撮影中、突然照明器具が転落した。それは映画の撮影を中断させようとしたチャンプたちの仕業だった。

「撮影は続けさせてくれ」と必死に頼むユウタ。しかしチャンプは納得しない。かなり高額な出演料でマリアと契約を交わしていたユウタに「金のためにならなんでもやるのかよ!!」と激怒するチャンプ。その日の撮影は中断を余儀なくされたが、マリアには映画制作を中止する気など毛頭もなかった。

 

♪ 星の光る空(ユウタ、マリア)

撮影を続けられなくなり落ち込むユウタ。

ユウタが大金を欲っする理由、それはユウトにあった。ボクシングのチャンピオンになりたいというユウトの夢をどうしても叶えさせてやりたい。しかし実はユウトは心臓病を患っており、ボクシングが出来る身体ではなかったのだ。このままだとユウトの命はあと1年。心臓の移植手術のためには高額な費用が必要で、ユウタはそのために何としてもこの映画を完成させなければならなかったのだ。

 

あの時の決着

♪ Rebirth(チャンプ)

ユウトがチャンプのジムでトレーニングをしていると、ユウタが映画の撮影許可を懇願しにチャンプの元を訪れる。映画の撮影のために土下座までするユウタを見て嘲笑うジム生たち。するとそこにマリアが現れ、チャンプに囁く。

「あなた、ユウタと決着をつけたいんじゃないの?」

チャンプはマリアに唆され、自分とボクシングの試合をしユウタが勝つことを条件に撮影を続ける許可をした。「映画のモデルであるチャンプと主役との本気の試合なんて、良い宣伝になる」と喜ぶマリア。もう5年もトレーニングすらしていないユウタには無理だと反対するユウトだったが、ユウタはチャンプの条件を飲んだ。

 

♪ Fight Man

 

 

対立するエマとマリア、チャンプ陣営とユウタ陣営

マリアの事務所を訪れ、2人に試合をさせることについて激怒するエマ。何故ユウタに拘るのかともう一度問われたマリアは、「エマさんとは過去に色々あったが、この映画を成功させて恩返しがしたいと思っている」と答える。

 

♪ DREAM BOY(デモ音源/ユウタ)

♪ THE DREAM BOYS(ユウタ)

 

俺のために勝ち目のない試合をするのか?とユウトに問われたユウタは、「夢は叶うとは限らないが、大事なのは夢を持ち続けること。グローブを交えて壊れた絆が元に戻れば勝ち負けはどうでも良い」と本音を話す。

一方その頃、どういう訳かチャンプは病院で頭を押さえもがき苦しんでいた

 

♪ チャンプの苦悩(チャンプ※ダンス)

 

“転”

運命の一戦

♪ 運命の扉

いよいよチャンプとユウタの運命の一戦が始まった。

 

♪ Fighter

♪ Ring of Fate

 

コングが鳴る。一進一退激しい攻防の末、チャンプは顔面に一撃を喰らい、リング上で倒れてしまったのだ。

無敗のチャンプが倒されたことに動揺し慌てふためくジム生たち。そんな混乱の中マリアはレッスン生のヒダカ(浮所飛貴)にユウタのグローブを回収させると、「ユウタのグローブの中に鉛の板が入っていた」と告発する。

そんなことするはずがないと訴えるユウタだが、「今のユウタがタダでチャンプに勝てるはずがない」とマリア。ジム生たちにマリアを疑う余地はない。

しかしグローブを拾ったヒダカは、マリアが自分で鉛をグローブに入れたのではないかと思い一人困惑する。

 

注目の一戦であっただけに、ユウタは一瞬にしてマスコミの標的になってしまう。エマはユウタを助けようと、自身が昔経営していた古びた劇場に身を隠すよう彼を誘導する。

 

♪  母の祈り(エマ)

 

更に起こる悲劇

古いマネキンたちに囲まれ一人劇場で身を潜めるユウタは、自分がみんなから疑いの目を向けられ追われることで精神的に追い詰められ、チャンプやユウトらにまで非難されているような強迫観念に襲われてしまう。

 

♪ DEATH SPIRAL

♪ Nightmare

 

ユウタが身を潜め眠る劇場にタイショウ(岩﨑大昇)が現れる。誰よりもチャンプを慕い、尊敬していたタイショウ。ユウタがグローブに鉛を入れチャンプに大怪我をさせたと思っている彼からすれば、ユウタのことを許せる訳がない。怒りに狂ったタイショウは、ナイフを振りかざしユウタを刺そうとした。するとそこにユウタを探していたユウトが現れ、急いで止めに入る。そんなユウトを制止しようとするユウタ………3人は激しく交錯し、ユウトはタイショウを不慮の事故で刺してしまう。

叫び倒れるタイショウ、自分がしたことを信じられず絶望するユウト。ユウタは咄嗟にユウトからナイフを奪い、何を聞かれても黙っているように指示する。

最悪のタイミングで、タイショウとユウトを探していたジム生とレッスン生、そして警察が劇場にたどり着く。捕まりかけるユウタを見てユウトは弁解しようとするが、病の発作が起き倒れてしまう。

 本当の事を話せばユウトやタイショウが捕まってしまう。ユウタは2人を庇うため、全ての罪をたった一人で引き受けようと決意した。

 

 

 

 

♪ WANTED

全てから逃れ身を隠そうとするユウタ、ユウタを助けるため行方を追うレッスン生たちとエマ、チャンプとタイショウの仇を取るためユウタを追うジム生…。しかしユウトとタイショウを庇うために、ユウタは逃げるしかなかった。

 

事態は収束しないまま、レッスン生たちはテレビ出演が決まり、歌番組の生放送に臨む。しかしそこにユウトの姿はない。ユウトはまだ病院にいた。4人は病院にいるユウトに捧げるため、懸命にパフォーマンスした。

 

♪ DREAM BOYS(レッスン生※ユウト以外)

 

ユウトは自分を信じ居場所を守ろうとしてくれているメンバーや、自分を庇うために罪を被り逃げ続けるユウタを思い、自責の念に駆られ泣き叫ぶ。どうせ自分はもう死ぬのに、皆んなが自分の為に懸命に生きてくれる。もういい……もう辞めてくれ………。

 

 

 

あの試合の真実

「ユウタがグローブに鉛なんて入れるはずがない、小さな頃から正義感が強い子だった」と訴えるエマに対し、ユウタが大金を欲しがっていたことを明かすマリア。話を聞いていたヒダカは、それはユウトの手術のためではないかと告げる。

 

♪ Make You Wonder vs Walking To The End

(レッスン生/ジム生)

 

一方ジム生たちは、チャンプの容態が一向に回復しないことからユウタたちに苛立ちを募らせていた。別の理由でお互いにユウタを探すジム生とレッスン生。激しく対立する両陣営だったが、ヒダカは「こんなに色んな事が同時に起こるなんておかしい、争うより真実を知ることがチャンプとユウタを救う一つの道だ」と訴え、ジム生たちの協力を得る。

 

♪ THE DREAM BOYS

 

シーンは病院へと移り変わる。ユウタはチャンプの病室で、チャンプに真実を話す。タイショウを刺してしまったこと、ユウタがそれを庇ってくれたこと、自分の病気のこと…。

先のない自分のことはもうどうでもいいと話すユウトに、チャンプは自分がチャンピオンになった時のグローブをプレゼントした。「夢を諦めるな、夢は1人では叶えられないがお前にはユウタがいるだろう」と諭す。

2人の様子を見ていたタイショウは、ユウトが病室を後にしたタイミングでチャンプに話しかける。ユウタがユウトの病気を治す手術費用を得るために映画を完成させたかったことを知ったタイショウ。「…しかしだからってグローブに鉛の板を入れるなんて許せない!」そう怒った口調でチャンプに言うと、チャンプは呆気に取られる。「鉛の板なんて入ってなかった、実際に戦った俺には分かる!!」

 

♪  THE DREAM BOYS

チャンプの容態は日に日に悪化していく。

チャンプは全てを悟り、何もかもを一人で抱え込もうとするかつての親友ユウタを心配するのだった。

 

退院したタイショウは、みんなにあの事件の真実を伝える。チャンプの証言により、グローブに鉛を入れたのはマリアであると確信するヒダカ。彼らは急いでマリアとエマの元へ向かう。

 

 

“結”

皆んな、誰かのために生きている

〈ユウタとエマ/エマとマリア/マリアとユウト〉

逃亡中のユウタは、幼い頃の母の記憶を巡らせていた。自分の描いた絵を見せようとするが、今は忙しいと冷たくあしらわれた母との記憶__。

そこにユウタを探していたエマが現れ、ずっと隠していた秘密をユウタに打ち明ける。夫と子供を捨て仕事の道を突き進んできたこと、その子供はユウタであることを。「ユウタのためを思ってしてきたことが悪い方へ悪い方へと進んでいき取り返しがつかなくなってしまった」と謝るエマだったが、「もう遅い、人生をめちゃくちゃにされて、今更受け入れられない」とユウタは怒りを露わにする。

そこにマリアと、少し遅れてヒダカ・タイショウ達も到着。「マリアさん、もう辞めようよ…。」「なんでこんな事を!?」

 

♪ Get It!

 

この惨劇は全てマリアが仕組んだエマへの復讐だった。マリアはエマの付き人時代、ステージに立つエマに代わり、心臓の病を抱えたエマの夫の看病を担っていた。1人寂しく苦しむ夫を放ってステージに立ち続けるエマを次第に理解出来なくなり、マリアはエマの夫と関係を持ち子供を妊娠。そのことを知ったエマはマリアを解雇したのだった。

職を失ったマリアは子供を育てられず、仕方なく施設に預けた。ところがその施設が火事になったことで子供は亡くなり、もはや復讐の道に生きる以外なくなった。亡くなった2人の苦しみを解き放つために、エマの息子であるユウタを利用しエマに復讐したのだとマリアは語った。

しかしユウタは、火事に巻き込まれたマリアの子供が、自分が助け出したユウトであることに気付く。マリアは自分の息子が生きていたこと、そしてその命の恩人であるユウタを傷つけ続けてきたことを知り、呆然とする。

 

その時、警察がユウタの居場所を嗅ぎつけてきた。警察がユウタに向かって発砲した銃弾を咄嗟に庇い受けるエマ。エマを母親として認められなかったユウタだったが、自らの身を投げ打って銃弾を受けたその様子を見て初めて「母さん…」と口にした。命懸けでユウタを逃そうとする母の気持ちを汲み、ユウタは再び逃亡する。

 

エマとマリアはお互いに自分のしてきた過ちを認め合い、慰め合った。

 

〈ユウタとジン〉

ビルの屋上まで追い込まれたユウタ。もう逃げ場はない。絶体絶命のタイミングで、どこからかチャンプの声が聞こえた。「飛び降りろ、絶対に俺が受け止める。」その声を信じビルから飛び降りたユウタ。気がつくとそこは天国へと続く階段の前だった。チャンプはユウタに、自分はもう死ぬが心臓は生きていること、その心臓をユウトに捧げることを告げる。

 

チャンプは5年前のあの時から、頭蓋骨に大きなケガを抱えていたのだった。ユウタとの再戦の時にはもう、リングに立てる体ではなかった。

それをユウタも知っていた。打ってはいけないと分かっていた。だからリングを降りた。それなのに、打ってしまった…。

しかし、チャンプはユウタに感謝していた。ボクサー人生の最後の試合をユウタと戦えたこと、そしてリングの上でボクサー人生を終えられたことを。

 

♪ THE DREAM BOYS

 

シーンはユウトの病室に変わる。ユウトの心臓の移植手術が成功した。チャンプの心臓がユウトを助けてくれたのだった。チャンプは亡くなったが、チャンプの心臓はユウトの中で生き続ける。

 

復讐は何も生まない。しかしマリアはユウトのために、エマはユウタのために懸命に生きてきた。

ジンもユウタもユウトもタイショウも…皆んな誰かのために生きている。そうやって出逢いと別れを繰り返し、躓いたその時よりも素晴らしい未来を作るために、明日を信じて………。

 

♪ Next Dream(絆)